
オンラインマダミスにヘッドセットは必要?——それ、実は「みんなのため」の装備なんです
オンラインのマーダーミステリー(マダミス)で、誰かの声がやまびこのように二重に響いたり、BGMがぐわんぐわん回り込んだりした経験はありませんか。犯人は多くの場合「スピーカーで参加している誰か」。この記事では、ヘッドセットやイヤホンマイクがなぜオンラインマダミスの"暗黙の必須装備"なのかと、編集部が実際に使って学んだ失敗しない選び方を紹介します。案内役は物知りカラスのイマクロウと、好奇心旺盛な猫のミス・マダムです。
なぜ「実質必須」なの?——3つの音トラブル
オンラインマダミスは、DiscordやUZUなどのボイスチャットで何時間も喋り続ける遊びです。そして音のトラブルは、だいたい次の3つに集約されます。
- エコー・ハウリング — スピーカーから出た相手の声を自分のマイクが拾い、相手に送り返してしまう。全員の声がやまびこになり、最悪「キーン」という音の無限ループに
- 生活音 — 家族の声、テレビ、食器の音、外の車。スピーカー派は音量を上げがちなので、マイクの拾う音も一緒に増える
- BGMの音被り — マダミスは雰囲気たっぷりのBGMが流れる作品が多いもの。スピーカーで鳴らすと、それをマイクが拾って全員に二重のBGMが届いてしまう

あら、どれも「自分が困る」んじゃなくて「相手が困る」トラブルなのね?

そこがこの話の肝なのだ。スピーカー参加の音トラブルは、本人にはほとんど聞こえない。困るのは常に卓の仲間たちなのだ。しかもマダミスは、証言のひと言を聞き逃すと推理に響く遊びだろう。「今の、もう一回言って」が言いづらい場面も多い。
ヘッドセットは「みんなのため」の装備
音を耳元に閉じ込めて(=マイクに拾わせない)、口元のマイクで自分の声だけを届ける。ヘッドセットやイヤホンマイクは、自分の音質のためというより、卓全員の聞こえやすさを守るマナー装備です。PCでのオンラインマダミスでは「暗黙の必須装備」と考えておくのが安全です。
オンラインマダミスそのものの始め方は、オンラインでのマダミスの遊び方にまとめています。
まずは手持ちでOK——音環境の4段階
「じゃあ高いヘッドセットを買わなきゃ!」と身構える必要はありません。音環境は段階で考えるのがおすすめです。
| 段階 | 装備 | 目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 0 | スピーカー | - | 今日で卒業したい(上記3トラブルの発生源) |
| 1 | 手持ちのイヤホンマイク | 0〜2千円台 | これでも十分 |
| 2 | ゲーミングヘッドセット | 6千円〜1万円台 | 長時間の快適さが別物。本命 |
| 3 | 配信用マイク | 1〜3万円 | おまけの趣味の世界(後述) |
段階1の「イヤホンマイク」は、スマホを買ったときに付いてくるアレや、家電量販店で売っている普通のマイク付きイヤホンのことです。たとえばこういうもの——

なんだ、うちの引き出しに転がってるやつでいいのね。安心したわ。

うむ。まずはそれで卓に出るといい。そのうえで「もっと快適にしたい」と思ったときが、段階2の買いどきだ。
失敗しない選び方——音質より「快適さ」
ここからは、編集部が実際にいくつも買って学んだ話です。
まず身も蓋もない実感から。ヘッドセットの売り文句には「臨場感あふれるサウンド」「クリアな高音質」が並びますが——正直、普通の耳にはそこまで違いがわかりません。ボイスチャットの声とBGMが主役のマダミスでは、なおさらです。
では高いものは何が違うのか。編集部の実感では、差がはっきり出るのは装着感です。
- 長時間つけても蒸れない
- 側圧がきつくなくて締め付けない
- 軽くて耳や頭が痛くならない
マダミスは1セッション3時間、長い作品なら6時間コース。「音がいい」より「3時間後も平気」のほうが、体験の質にずっと効いてきます。
編集部の失敗談:激安ヘッドセットの音漏れ
「通話用ならこれで十分」と激安の事務・通話向けヘッドセットを買ったことがあるのですが、これが失敗でした。イヤーパッドがスカスカで相手の声がだだ漏れになり、それを自分のマイクが拾って、結局エコーの原因に。ヘッドセットを着けているのにスピーカー参加と同じ状態です。多少値が張っても、耳をきちんと覆ってくれるものを選ぶ価値はあります。

でも装着感って、通販の写真じゃわからないんじゃないかしら?

痛いところを突くな……その通りだ。頭の形とヘッドセットには相性がある。だから初めての1台は、家電量販店で実物を着けてみるのが一番確実と言える。編集部の愛用品も、実は某家電量販店で購入したものらしいぞ。

アフィリエイト記事にあるまじき正直さね。じゃあ「お店に行く暇はないから通販で買いたいけど失敗したくない場合は、どうすればいいかしら?」…なんて質問をしてあげようかしら。

さすがはマダム! そういう時には調整のきく機種を選ぶといい。たとえば編集部が愛用しているSteelSeriesのArctisシリーズは、伸縮バンドで頭のサイズに柔軟にフィットしてくれる。「試着なしの1台目」の失敗が起きにくい設計なのだ。
有線か無線か——マダミスなら有線で十分
同じモデルでも、無線(ワイヤレス)版は有線版より数千円高いのが相場です。結論から言うと、マダミス用途なら有線で十分、むしろ有線が向いています。
- マダミスは基本的にPCの前に座りっぱなし。ケーブルの取り回しで困る場面が少ない
- 充電がいらない。3〜6時間の長丁場でも電池切れの心配ゼロ
- 接続が安定していて、遅延や混線とも無縁
- 同じ価格なら有線のほうが作りにお金がかかっている
無線の利点は、休憩中にそのまま飲み物を取りに立てる身軽さです。そこに数千円の価値を感じるなら無線もアリ、くらいの温度感で考えれば大丈夫です。

わたくし、目の前でケーブルが揺れていると、つい猫パンチしたくなるのだけれど……。

きみのような事情がある場合は無線を検討してくれたまえ。
編集部が使ってきたヘッドセット
参考までに、編集部がこれまで実際に使ってきたブランドを紹介します。Logicool・SteelSeries・SONY・Razer——いわゆるゲーミングヘッドセットの定番どころで、正直どれを選んでも大外れはありませんでした。そのうえで、好みの問題で今のメイン機はSteelSeriesの有線モデルに落ち着いています。決め手は前述の伸縮バンドで、長時間つけても頭が痛くならないこと。「とりあえず最初の1台で間違いのないものをポチりたい」なら、これをおすすめしておきます。
価格・在庫は変わります
価格やカラーバリエーションの在庫は時期で変わります。リンク先で最新の情報を確認してください。同シリーズの上位・下位モデルや無線版を選んでも、この記事の考え方はそのまま使えます。
おまけ:配信用マイクという沼
最後に、段階3の世界もちらっと紹介します。配信者やポッドキャスターが使う、単体のUSBコンデンサーマイクです。
たしかに、こういうマイクを通した声は艶っぽくて「いい声」になります。「いい声でマダミスがしたい」という気持ち、わかります。ただ、編集部としては正直に言っておきます——これはおまけのオーバースペックです。

あら、どうして? いい声のほうが素敵じゃない?

考えてもみたまえ。推理が佳境に入って、アリバイの矛盾を追い詰めている瞬間に、相手の声の艶を気にしている余裕なんてあるかね? 夢中になってしまえば、声の良し悪しなんてどうでもよくなるのだ。

たしかに、わたくし犯人を追い詰めてるときは何も聞こえてないわね……。それに、いろんな声の人がいるほうが、キャラクターも生き生きする気がするわ。

うむ。ダミ声にはダミ声の味があるのだ。個性豊かな声が集まる卓こそ、豊かな体験になる——と、ワガハイは思う。
というわけで結論です。スピーカーだけは今日卒業。まずは手持ちのイヤホンマイクでOK。快適さが欲しくなったら、装着感で選ぶ有線ゲーミングヘッドセットを1台。あなたの声が、今夜もクリアに卓へ届きますように。