
初めてのマダミスGMガイド
マダミスをもっと楽しみたくなったら、次は自分が進行役(GM)を務める番かもしれません。「難しそう」「失敗したら怖い」——そんな不安を、準備から当日の流れまで順番にほぐしていきます。案内役は物知りカラスのイマクロウと、好奇心旺盛な猫のミス・マダムです。
そもそもGMって、何をする人?

マダミスのGMって、よく聞くけれど……結局どんな役割なのかしら?

ひとことで言えば「物語の進行役」だ。プレイヤーが登場人物として推理や演技に集中できるよう、裏でゲーム全体を回す。名探偵役でも、名俳優役でもないのだ。
GM(ゲームマスター)は、マダミスを進行する担当者です。プレイヤーがキャラクターを演じて物語の中で動くのに対し、GMはその物語が滞りなく進むよう、外側から支えます。おもな仕事は次の4つです。
- 進行役 — タイムテーブルに沿って、読み込み・議論・投票などの各パートを区切る
- ルール審判 — 調べもの(調査)の可否や、情報公開のタイミングを裁定する
- ナレーター — 場面転換や状況を読み上げ、世界観をプレイヤーに伝える
- NPC — シナリオに登場する、プレイヤー以外の人物を必要に応じて演じる
いちばん大事な心構え
GMは「うまく演じる人」ではなく「情報と時間を管理する人」です。声色を作れなくても、決められた情報を、決められたタイミングで、正確に渡せればゲームは成立します。まずはここだけ押さえれば十分です。

なんだか安心したわ。完璧な演技をしなきゃいけないのかと思っていたの。

そう気負うことはない。むしろ落ち着いて交通整理ができる人ほど、良いGMになれるのだ。
なお、作品によっては進行役が不要な「GMレス」シナリオもあります。GMをやってみたいけれど自信がない、という方は、まずGMレス作品をプレイして全体の流れを体感するのが、いちばんの近道です。
初GMの準備 — 当日までにやること

やる気は出てきたけれど……当日までに、何を準備すればいいの?

準備は大きく3つ。「シナリオ選び」「下読み」「環境の用意」だ。ここを丁寧にやっておけば、当日の8割は決まると言っていい。
初GMがつまずかないための準備は、次の順番で進めるのがおすすめです。
1. GM負担の軽いシナリオを選ぶ
最初は、短時間・少人数・進行がシンプルな作品を選びましょう。凝った演出やNPCの多い大作は、慣れてからで十分です。選び方のくわしい基準は、この記事の最後の初GMの一本、どう選ぶ?で紹介します。
2. シナリオを下読みする(最重要)
購入したら、まずGM用の進行マニュアルを最後まで読み通します。ポイントは、犯人やトリックを覚えることよりも、情報の流れを掴むことです。
- どの場面で、誰に、どのハンドアウトや手がかりが渡るか
- 各パートの制限時間(タイムテーブル)
- GMがセリフを読み上げる箇所(ナレーション・NPC)
下読みは「2回」がおすすめ
1回目はプレイヤー気分で通読して物語を楽しみ、2回目はGM目線で「自分が何をどの順で出すか」に印をつけながら読むと、当日ぐっと動きやすくなります。
3. 遊ぶ環境を用意する
対面なら、人数分の座席とハンドアウトの印刷。オンラインなら、通話ツールとセッションツール(ココフォリアなど)の準備です。オンラインの具体的な進め方はブラウザでの遊び方ガイドにまとめています。
当日の進行、7つのステップ

いよいよ本番! でも、どんな順番で進めればいいのか、まだ不安だわ。

大丈夫、流れはどの作品もだいたい同じだ。この7ステップを頭に入れておけば、あとはマニュアルが導いてくれる。
当日の基本的な進行は、多くの作品で次の7ステップに沿っています。
- 開始前の最終確認 — 参加者がそろったら、ハンドアウトとタイムテーブルを手元に用意。トイレ休憩のタイミングも先に伝えておく
- 導入(ルール&世界観の説明) — 遊び方の約束事と、物語の舞台をナレーションで共有する
- キャラクター自己紹介 — 各プレイヤーが自分の役を軽く名乗り、場を温める
- 第1幕:読み込みと調査 — ハンドアウトを読み込み、手がかりを集める時間。GMは時間管理と情報の配布に徹する
- 第2幕:議論・密談 — プレイヤー同士が話し合い、疑いをぶつけ合うメインパート
- 投票 — 全員が「犯人だと思う人物」に投票する
- エンディングと感想戦 — 真相を公開し、各キャラの結末を読み上げる。最後にネタバレOKの雑談で締める
時間が押してきたら
議論が白熱すると、たいてい時間は押します。GMは各パートの残り時間を声に出して「あと5分です」と伝えるだけで、進行はぐっと安定します。多少前後しても問題ないので、焦らず区切りましょう。
読み込みの時間も含めると、表記のプレイ時間より少し長めに見積もっておくと安心です。
雰囲気づくりとNPC演技のコツ

NPCを演じる場面……やっぱり、上手にできる自信がないの。

何度でも言うが、演技力はいらない。大事なのは「そのNPCが何を知っていて、何を隠すか」を間違えないこと。棒読みでも、情報さえ正確なら物語は回るのだ。
雰囲気づくりというと身構えてしまいますが、初GMがまず優先すべきは「演出」より「正確さ」です。そのうえで、余裕が出てきたら次の工夫を少しずつ足していきましょう。
- セリフはゆっくり、はっきり — 早口より、聞き取りやすさが没入感を生みます
- NPCは「口調のクセ」を1つだけ — 語尾や一人称を変えるだけで、キャラの区別は十分つきます
- BGMは無理に流さない — 音量調整に気を取られるくらいなら、無音のほうが進行に集中できます
困ったら「マニュアル通り」でいい
アドリブを求められる場面でも、判断に迷ったらシナリオの指示に従うのが正解です。GMの即興は、慣れてからのお楽しみ。最初は「書いてある通りに、正確に」で胸を張れます。
よくあるトラブルと、その対処法

もし当日、うまくいかない場面があったら……どうすればいいのかしら。

起きがちなことは、だいたい決まっている。あらかじめ「こう来たらこう返す」を知っておけば、慌てずに済むのだ。
初GMがつまずきやすい場面と、その対処をまとめました。どれも「あるある」なので、知っておくだけで落ち着いて対応できます。
| よくある場面 | 対処のしかた |
|---|---|
| 議論が沈黙してしまう | GMから「〇〇について、みなさんどう思いますか?」と話題を振る。ハンドアウトの目的を各自に読み返してもらうのも有効 |
| 話が脱線して時間が押す | 「残り〇分です」と区切りを声に出す。脱線も楽しみのうちなので、強く止めすぎない |
| 推理がまったく進まない | まだ公開していい手がかりを、少し早めに出す。「調べられる場所はありませんか?」と促す |
| ルールの裁定に迷う | その場で厳密さを求めすぎず、「今回はこうします」と決めて進める。後で見返せばよい |
| プレイヤーが真相を先に察した | 顔に出さず進行を続ける。投票とエンディングまでの流れは崩さない |
いちばんの禁物は「焦り」
うまくいかない時ほど、GMが焦ると場全体が固くなります。多少のミスは誰も気にしていません。「少し待ちますね」と一呼吸おくだけで、たいていの場面は立て直せます。
初GMの一本、どう選ぶ?

最初の一本は、どんな作品を選べば失敗しにくいの?

条件はシンプルだ。「短時間・少人数・進行がやさしい」。この3つを満たす作品なら、初GMでもぐっと回しやすい。
初めてGMを務めるなら、次の条件を目安に選ぶと安心です。
- プレイ時間が短め(60〜90分程度) — 集中が続きやすく、時間管理の練習にもちょうどいい
- 少人数(3〜4人) — 目が届きやすく、情報の配布もシンプル
- 初心者・GM向けと明記された作品 — 進行の補助が手厚く、つまずきにくい
いまミスでは、これらの条件で作品を横断検索できます。人数・時間で絞り込んで自分たちに合う一本を探すか、まずは下の初心者向け作品から選んでみてください。無料で試せる作品も多いので、無料作品で肩ならしをするのもおすすめです。

なんだか、私にもGMができそうな気がしてきたわ!

その意気だ。最初の一卓を回し終えたころには、君はもう立派なGMさ。